2020年8月24日の日記

この日の朝は、やむを得ない空白の時間がありました。
そこで気兼ねなく立ち寄れる場所を求めて出発し、やがてこの塔の近くにたどり着きました。

まずは車内の冷房を利用し、身体に水属性を付加。身体を充分に冷やします。
それからやっと塔の周辺を少々散策。
暑い!
水属性を付加したことによる効果もあっという間に失われてしまう。歩いているだけでHPを消費します。
アイテム袋からボトルを取り出し、小まめに回復。

さて塔は静かにそびえていました。
この塔が万が一ダンジョンであれば、入る前にはいくらか心得が必要ですから、まずは外観を落ち着いてよく見ようと思い、少し離れたところに設置されているベンチに腰掛けようとしました。
ただそのそばにはカラスがおり、私がベンチに向かって歩を進めるごとに絶妙なタイミングで鳴く。アア、と。あまり近寄ってくれるなと言いたいのでしょう。
私は腰掛けることをあきらめました。
カラスと席を争ってまで経験値を稼ぐ気持ちにはなれませんでした。

とは言え立っているだけでもHPを消費しますから、早々に塔に入ってみることにしました。
この塔は警戒すべきダンジョンと呼ぶような建物ではなく、内部に危険はありませんでした。
ふと見ると、足元に何か刻まれています。
それは“秋分の日の正午にこの塔を訪れると天から虹が舞い降りる”という、予言めいた内容でした。
虹が舞い降りる、だなんてファンタスティックです。
その日にはきっと、この場所で何かキーとなるイベントが起きるに違いありません。

体験もしていないイベントを想像するだけで満足感を覚えた私は、この塔でぼうけんのセーブを行い、機嫌よく次の目的地へ向かいました。