2022年9月15日の日記

夕方。帰り道にコンビニで「ご褒美ミルフィーユ」という菓子を購入した。
帰宅後、エコバッグからそれを取り出すと「ご褒美ミルフィーユ」は「ご褒美バターパイ」に変身していた。

おどろいた私はバターパイに向かって「ミルフィーユ?」と呼びかけた。
バターパイは返事をしなかった。
バターパイはミルフィーユではないからだ。

袋の中身を確認してみたが、中身もバターパイだった。
味も確認した。
バターパイだった。

うろたえた私は宙に向かって「ホームパイ?」と呼びかけた。
混乱していたのだと思う。
ホームパイは他社製品だ。

このとき私の中の冷静な私が私に言った。
私はコンビニで商品を手に取るまでしっかり視線を送っていなかった。だから目的の菓子の隣の列に手を伸ばして、知らない内にバターパイを手にしたのだと思う、と。
そうと気付いていたのならなぜ教えてくれなかったのか、と私は思った。
自分というものがときどき本当にわからない。

バターパイは何も悪くない。
味も悪くない。
私も悪くない。
悪いのは取り違えていると知っていて言わなかった私だ。