続・個展「わるいきもちの芽」について

こんにちは。
現在開催中の個展「わるいきもちの芽」をご覧いただきありがとうございます。
会期Ⅰ 名古屋市 ON minor project での展示は終了しています。
会期Ⅱ は4/27(火)まで、いなべ市 岩田商店gallery でご覧いただけます。

先日ギャラリーでインスタライブに参加させていただき、今作品に関するご質問をいただいたのですが、ぐだぐだの回答を連発いたしましたので今から悪あがきをし、こちらの記事で改めて回答していきたいと思います。

質問(Q)は岩田商店galleryのスタッフ荒木さんによるもの。回答(A)は私によるものです。
こちらの記事では荒木さんがおっしゃられた文言を私が身勝手にも短縮・編集していますが、おっしゃられていたことの意味はそのままにすることを心がけておおくりします。私の回答は卑怯に文言も意味も全編集しておおくりしています。
それではどうぞ。

Q1 雨が降っています。そんな土曜日、ですね?
A はい。雨の日はこの辺りの猫に会えなくて寂しいです。

Q 今日は様々な事情でお越しいただくことが難しいお客様に向けて、インスタライブで展示内容をご紹介していきたいと思います。気になる作品がございましたら、メールやお電話、インスタグラムのダイレクトメッセージでお知らせ下さい。
現在はきいろの戸口の個展「わるいきもちの芽」を開催中です。今作品は絵と文章を合わせて冊子化されており、会場ではそのストーリー構成を元にして原画を展示しております。
A よろしくお願いします。

Q2 (原画について)使用されているのは和紙ですね?
A はい。今回は水墨画用を使用しています。

Q3 和紙に日本画用の面相筆と、墨汁で描いていらっしゃいますね。
A はい。ぼくてきで。

Q4 細かいタッチはどうやって描いていらっしゃるんですか?
A 鉛筆やボールペンで描く描き方と変わりありません。ただ、筆に墨をつけてそのまま紙に描けばにじみの強い線になるので、別紙に筆先の墨汁を落として濃度を調節しながら描きます。

Q5 下描きはされているんですか?
A 薄い和紙を使用する場合は紙を痛めたくないという理由で簡素な下絵にしているので一見わかりにくいですが、下描きしてあります。直接下描きせず別紙に下絵を描いて、その上に清書用の紙を重ねて目印にして描くこともあります。

Q6 ぶっつけ本番で描いているようなところもありますか?
A 部分的にそういうところもあります。

Q7 描きたいもののイメージは本番を描く前に何回も描かれていたりしますか?
A 本番を描くための参考にするラフ画は描きますが、その前段階のイメージは絵ではなく文字で書くことの方が多いです。

Q8 今回はストーリーのある冊子を作られています。以前、頭の中に国を築くというお話しをしましたが、そのお話も含め、改めて「わるいきもちの芽」について、ストーリーやテーマ、世界観などを教えて下さい。
A 今作品では、タイトルの通り人間のきもちを扱っています。この、わるいきもちとはネガティブな気持ち全般を指します。今作品ではそんな気持ちの扱い方の一種を表現しています。
世界観については、見た目は地球上で見られる世界とあまり変わりありませんが、作品の中では現実と夢を関与し合う関係のものとして扱っているため、何かが少しヘンです。他にも違和感を感じられる部分があれば、それが私の頭の外と中の違いそのものだと思います。
テーマについては説明するのが一番難しいです。例外もありますが、個展の機会をいただいて一から制作を始めるとき、大抵私は自分がなぜその制作を選択したのか自分で理解し切っていないまま制作に入ります。まず過去にメモしておいたアイデアの中から、展示会場の環境/時事/期限/私の気分などの、様々な条件に合うと感じるものを勘で選択します。メモの中にピンと来るものがなければ一から考えます。「わるいきもちの芽」は過去のメモを元に制作したものです。制作はメモを軸にして、そこに要素を加えて組み上げる形で進みますが、そのときなぜそんな内容やストーリーになるのか、私自身もわからないまま半ば自動的に内容が組み上がります。その後、出来上がった作品を自分で見ることで、私は自分が主題を持って作品を作った可能性があることに気付きます。本来制作の動機やテーマは先に用意されているものであるはずですが、私は後で気付きます。しかもその気付き方はクッキリとした気付きではなく「もしかしたら自分はこういうことをテーマとして制作したのかもしれないな~」というような、ぼんやりとした気付き方です。そのため私は「この作品のテーマはこれです」とはっきり述べることが出来ません。証拠がないからです。その代わり、私は自分の作品をお客さんと同じような目線で見ることができます。
私自身が自分の最初の客になり、作品に対して気付いたことはこちら記事に掲載しています。

再回答は以上です。
インスタライブの中では原画をいくつか画面に映してご紹介いただいています。ライブ中の私の慌てふためくおかしな様子も合わせてご覧下さい。
私は見直してドン引きしています。

個展「わるいきもちの芽」詳細

会期Ⅰ 終了しました
会場|ON minor project

会期Ⅱ 4月3日(土)~4月27日(火)
会場|岩田商店gallery
三重県いなべ市北勢町阿下喜1051-10
営業時間|11:00-17:00(※最終日15:00まで)
定休日|水・木

▼原画のリスト(販売可能分)

  • 小皿の中の人
  • 芽(双)
  • 芽(大粒)
  • 芽(紡錘形)
  • きもちを放出して歩く人
  • きもちの芽
  • つよいきもちのきのこ
  • 夢の中の土地(山の花壇)
  • 繊細で図太い花
  • 3つのひみつの花

在廊日は4/25(日)、27(火)です。


頭の中に国を築くというお話し…
“世の中には、頭の中に想像の土地や国のようなものを築いている人間がいる”という話題。荒木さんもお持ちのようです。

テーマ…
作品ごとのテーマは明確でないですが、年単位で何となくテーマとしている単語があります。これは制作全体の下地のようなもので、化粧品で言うと化粧水です。
現在のテーマは「並」です。「並」がテーマであると言われてもわけわかんないですよね。私もです。だからテーマにしているのだと思います。